先日、会社へ向かう朝のJR東海道線で車両の真ん中辺りにいる女子校生が大声で言った。
「あ～、あたしず～っと、十七歳でいたいなァ～！」
声のした方に首を伸ばして見ると、女子校生たちの近くに数名の社会人なりたてのOLが
いたのだ。
新人OLを見て、親の庇護の下「未成年」「学生」という身分をもっと謳歌したいと思ったのか、
それとも彼女らに現在十七歳という自分の若さを誇示したかったのか。
私は早く大人になりたかった。
「未成年」という事で社会から庇護されている部分に気付かず、何かと「親の許可」がいる事が
鬱陶しかった。
CMで雨に降られた波瑠がカバンを傘替わりに「わー！」と走るシーンを観て
私も新人の頃、西武鉄道池袋線の秋津駅から武蔵野線の新秋津駅の間を歩いている時に
急に降ってきた雨でずぶ濡れのスーツのままホームで思わず涙したことを思い出した。
取引先に届けるカバンの中の大切な書類を濡らしてしまったのが情けなかったのだ。
どんなに天気が良くてもカバンに折りたたみの傘を入れるのはこの時の体験が元になっている。
そーかー、波瑠も二十歳かー。
黒髪のショートカットで不安そうな初々しい社会人を上手く演じている。
「檸檬のころ」（2007）や西原理恵子の「女の子ものがたり」（2009）とか好きだなー。