夏目漱石の「坊っちゃん」の冒頭部分と似たような事をしている私。
中学に入学した時、同級生が小型のナイフを見せびらかしていたので
奪い取って「何だ、こんなモノ!」と左手首に当てて引いたら見事に切れた。
あと数ミリズレていたら大出血である。今でもうっすらと白い傷痕が残っている。
近くにいた女子が「せんせー!」と御注進に行こうとしたので、「大丈夫だから」と
あわてて引き止めましたっけ(笑)
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当時は鉛筆削り用に「ボンナイフ」が購買や文具店で売っていたし、「肥後守」とかも
特に珍しく無かった。
シャーペンももちろん使っていたが、力を入れて書くからか芯がポキポキ折れるので
しょっちゅう、カチカチやっていた。
「坊ちゃん」 夏目漱石
親讓りの無鐵砲で小供の時から損ばかりして居る。小學校に居る時分學校の二階から飛び降りて一週間程腰を拔かした事がある。なぜそんな無闇(むやみ)をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出して居たら、同級生の一人が冗談に、いくら威張つても、そこから飛び降りる事は出來まい。弱虫やーい。と囃(はや)したからである。小使(こづかひ)に負ぶさつて歸つて來た時、おやぢが大きな眼をして二階位(にかいぐらゐ)から飛び降りて腰を拔かす奴があるかと云つたから、此次(このつぎ)は拔かさずに飛んで見せますと答へた。
親類のものから西洋製のナイフを貰つて奇麗な刃を日に翳(かざ)して、友達に見せて居たら、一人が光る事は光るが切れさうもないと云つた。切れぬ事があるか、何でも切つて見せると受け合つた。そんなら君の指を切つて見ろと注文したから、何だ指位(ゆびぐらゐ)此通(このとほ)りだと右の手の親指の甲(かふ)をはすに切り込んだ。幸(さいはひ)ナイフが小さいのと、親指の骨が堅かつたので、今だに親指は手に付いて居る。然し傷痕(きずあと)は死ぬ迄消えぬ。
P.S.
坊ちゃんが天麩羅蕎麦を食べた翌日、黒板に「天麩羅先生」と大書きされ、
「天麩羅を食っちゃ可笑しいか」と言うと生徒に
「しかし四杯は過ぎるぞな、もし」と言われる箇所で思わず笑ってしまいます。
江戸っ子は蕎麦好きだなぁ。
中学に入学した時、同級生が小型のナイフを見せびらかしていたので
奪い取って「何だ、こんなモノ!」と左手首に当てて引いたら見事に切れた。
あと数ミリズレていたら大出血である。今でもうっすらと白い傷痕が残っている。
近くにいた女子が「せんせー!」と御注進に行こうとしたので、「大丈夫だから」と
あわてて引き止めましたっけ(笑)

当時は鉛筆削り用に「ボンナイフ」が購買や文具店で売っていたし、「肥後守」とかも
特に珍しく無かった。
シャーペンももちろん使っていたが、力を入れて書くからか芯がポキポキ折れるので
しょっちゅう、カチカチやっていた。
「坊ちゃん」 夏目漱石
親讓りの無鐵砲で小供の時から損ばかりして居る。小學校に居る時分學校の二階から飛び降りて一週間程腰を拔かした事がある。なぜそんな無闇(むやみ)をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出して居たら、同級生の一人が冗談に、いくら威張つても、そこから飛び降りる事は出來まい。弱虫やーい。と囃(はや)したからである。小使(こづかひ)に負ぶさつて歸つて來た時、おやぢが大きな眼をして二階位(にかいぐらゐ)から飛び降りて腰を拔かす奴があるかと云つたから、此次(このつぎ)は拔かさずに飛んで見せますと答へた。
親類のものから西洋製のナイフを貰つて奇麗な刃を日に翳(かざ)して、友達に見せて居たら、一人が光る事は光るが切れさうもないと云つた。切れぬ事があるか、何でも切つて見せると受け合つた。そんなら君の指を切つて見ろと注文したから、何だ指位(ゆびぐらゐ)此通(このとほ)りだと右の手の親指の甲(かふ)をはすに切り込んだ。幸(さいはひ)ナイフが小さいのと、親指の骨が堅かつたので、今だに親指は手に付いて居る。然し傷痕(きずあと)は死ぬ迄消えぬ。
P.S.
坊ちゃんが天麩羅蕎麦を食べた翌日、黒板に「天麩羅先生」と大書きされ、
「天麩羅を食っちゃ可笑しいか」と言うと生徒に
「しかし四杯は過ぎるぞな、もし」と言われる箇所で思わず笑ってしまいます。
江戸っ子は蕎麦好きだなぁ。