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「64」 横山秀夫

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2012年度 小説 No.1。
私の大好きな作家、横山秀夫の約7年振りの新刊にして最高傑作。

64(ロクヨン)

64(ロクヨン)

  • 作者: 横山 秀夫
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/10/26
  • メディア: 単行本


横山秀夫『64』|文藝春秋|特設サイト
http://bunshun.jp/pick-up/64/

文藝春秋社がくれた横山秀夫の手紙(文字はコピー)
20121102155856.jpg
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「64」とは、たった7日間しかなかった昭和64年を指す。
この間に起きた未解決の少女誘拐事件を、D県警では「ロクヨン」と呼んでいた。
主人公は刑事出身の広報官、三上。
刑事から異動となった衝撃、「広報官の皮をかぶった刑事」と割り切った心の変遷が縦軸だ。
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横山秀夫の小説はいつも警察や新聞社など、「組織」が舞台だ。
特に40歳以上の会社員なら思わず共感する部分が多いだろう。

第一作「陰の季節」は、「変な題名」と思って文庫本が書店で平積みになっているのを
見ても素通りしていたが、ある日、長い通勤時間の電車で読む本を忘れた時にキオスク
で買って読み始めたら思わず「う~む!」と唸るほど面白かった。

横浜のダイヤモンド地下街にある「有隣堂」書店では必ず新刊が「サイン本」として発売
されるのでその度に買い求め、全作品を署名・落款入りで揃えている。
(発売日以降に知った「陰の季節」と「動機」は署名本をヤフオクで単行本・文庫本まで揃えた(苦笑))

「陰の季節」がドラマ化された時、主人公の二渡を演じたのが上川隆也。
20121102010950.jpg

これが正にハマリ役で、以降、横山作品が映像化される時は必ずと言っていい程、出演している。
(「臨場」は倉石鑑識課検視官(警視)が主人公なので内野聖陽だったが。)

横山作品の中では「第三の時効」をBESTとする人も多いが、やはりまずこの2冊。

陰の季節 (文春文庫)

陰の季節 (文春文庫)

  • 作者: 横山 秀夫
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2001/10
  • メディア: 文庫



動機 (文春文庫)

動機 (文春文庫)

  • 作者: 横山 秀夫
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2002/11
  • メディア: 文庫


個人的には「影踏み」も好きだ。ちょっと他の作品と趣が異なるが。

「出口のない海」発売時にはサイン会があると知り、会社を定時で飛び出して参加した。
「出口のない海」は以前に書いた作品に大幅な改定を加えた作品、ということだったので
署名してもらう時に「新規に書く場合と今作のような改定とはどちらが難しいですか?」と
質問してみた。

横山氏は机の向こう側で一瞬、手を止め「どちらもそれぞれ難しさがありますね」と言っていた。
他の参加者は署名してもらう間、黙っているか、「大ファンです」「頑張ってください」みたいな
一言だけだったのでちょっと意地悪く聞いてみたのだが(笑)

これもお薦めの一冊。青春ミステリ風で横山作品では異色だが横山秀夫のデビュー作でもある。

ルパンの消息 (光文社文庫)

ルパンの消息 (光文社文庫)

  • 作者: 横山 秀夫
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/04/09
  • メディア: 文庫


P.S.
映像化された作品も多いが、映画よりTVドラマの方が出来が良い。

映画化された「クライマーズ・ハイ」、「半落ち」、「出口のない海」は原作の良さが出ていない。
(この3作には上川隆也が出ていない。やはり横山秀夫の作品には上川隆也が出てないと。)

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